風呂に入りながらとてつもない感覚を覚えた。
「なんという奇跡か!」
俺は今プロパンガスで暖められた水の中に入り体を温めている。化学的なイメージでいうと水のエネルギーが体に入る以外の熱はロスであり、プロパンガスが燃えるにもロスがあり、プロパンガスをアパートまでもってくるにもエネルギーが使われている。としたら俺の体は今どれだけのエネルギーを使って温まっているのか。
こんな世界。奇跡に近い、いや奇跡だ。
福島光志