大学の恩師が言っていた。
「”農学部”を卒業したものは世間では農業に関して一般的な知識を身につけているとみなされ、前提に話しをする。」
だからというわけではないが、花卉のことや野菜、果樹のことや病害虫、土壌生理など、おおきくまとめれば農学になるのだが、ある程度平らに知っておきたい知識である。
しかし、実際農学部をでたからといってもほとんどの学生はこれらのうちの極わずかな分野のみしか勉強していないといってよい。
分子生物学を専攻していた人にほうれん草が何科の植物なのかなどと聞いても畑違いといってしまえばそれで終わり。
しかし、これはそれだけ農学という学問が多岐にわたり、一筋縄ではいかないことを示している。到底4年間では終われない学問である、とつくづく思う。
それと共に、大学が一つの畑だけを集中して掘り下げてしまうという仕組みであるがために陥る落とし穴であるように感じる。まぁ大学は研究機関であるため専門的になるのは当たり前だが、森を見ることも忘れてはならない。
もっとも事の行き着くところはいつも「好きこそものの上手なれ」。望まれるから頑張るのではなく、ただ単に好きだからという衝動が一番無理がなくてよい。