桜が満開になった火曜日、もっと地元に詳しくなりたいと常々思っていた。
その一つとしてやりたかったことにいつも見ていた近くの山に登ること。あそこに登れば眺めがいいだろうなぁっと前日にもトラクターに乗りながら思っていた。
たぶん地元の人なら誰しも登ったことがあるのではないだろうか。祖母に聞いてみると、許斐山は頂上も木が多くて見渡せないといっていたが現在は目前の木々が伐採されたのだろう、ごらんのとおり四つ塚が綺麗に見渡せた。
思いのほか玄海、地の島まで見えた。
山に登るとよく思うことがある。人はものすごい生き物だと。
眼下に広がる大地を100年、1000年、1万年前の様子を思い浮かべる。
その光景の変化たるや何たるスピードかと思う。
「マトリックス」ではエージェントスミスが言っていた。人間はウイルスだと。
一度繁殖しだすと資源を使い尽くすまで増殖する。まさに私には団地がコロニーに見えてしまう。
「個体が作り上げたものもまた、その個体同様に遺伝子の表現型である」
しかし、如何せん私もそのウイルスの一端だった。
ただ、今このようなことを思ってしまう自分は何をするためにここにいるのか。何をすべきなのか。
ただ見届けるだけしかできないのか。