今日はイチゴ屋ヒロ君のおうちにお邪魔してきた。
ヒロ君はイチゴ栽培でバクタモンという微生物資材を使っている。
その関連で知り合ったオーガニックランドという会社からの紹介で国の補助事業の一つを活用して簡易的な土壌分析を行うキット(49万円相当)を全額補助で購入した。
要件の中に農家のグループであることが必要ということで、自分も参加させていただき他1名の3名で事業に手を挙げた。
今日は会社の人がそのキットをもって操作方法を教えてもらいに来たわけだ。
上の写真は土から肥料成分などを浮かせる薬品を混ぜてろ過しているところ。容器はフィルムケース、薬品は醤油さしを使うなどコストがかからないように工夫されている。
ろ過したものを測定する肥料成分ごとに小分けし、発色させる薬品を混ぜる。
3番から9番がそれぞれ窒素であったりリン、カリなどの成分を分析する。
分析するといってもアクリルのこのケースを横から光を当てて透過する光量を測定することで発色量から肥料の含有量を算出するという仕組み。
これは簡易式であるにしろやることは大体同じなはず。
さて、ここまで農業にはこのようなこともありますという紹介だが、考えてもらいたいのはなぜ国民の血税を使い、このような土壌分析のために49万円もの大金が使われるかというところ。
土壌分析の目的とはその圃場にあった肥料設計をし、健全な作物を生育させるために行うことである。
しかし、現代の日本の農業では、特に施設園芸では肥料の過剰投入されていることがおおい。
昨今、世界の人口が増加するにつれて食糧危機が起こることが予想されているが、その食糧を増産させるためにも化学肥料は必要とされている。
その化学肥料が世界中で奪い合いになっていることをご存じだろうか。日本は他国にくらべその確保が後手になっているそうだ。
カロリーベースでみる日本の食糧自給率は40%以下となっているが、その自国で生産されている食糧のほとんどすべては外国産の化学肥料により支えられているのである。
ということは、無機的(化学肥料のこと)な視点も加えて日本の食糧自給率を見た時、それはすでに0%に限りなく近づいていると言えるだろう。
そこで最初にもどり、なぜ日本国が土壌分析に血税を注ぎ込むかだが、簡単に言うと土壌分析することで無駄な化学肥料の使用を避け、必要なところに十分にいきわたるようにするため、である。
土壌分析は一般の企業や農協、全農などでも行っているが、窒素・リン酸・カリウム・マグネシウム・カルシウム・マンガン・ホウ素・鉄などの主要な要素(約8成分か)を1回測定するのに3000円以上の費用がかかる。
今回のこのキットを使えば1検体600円未満で測定できるそうだ。
その代わり、測定した数値は大雑把であり、どの様な傾向があるという程度。
だが、施肥設計をするうえで細かい数値はあまり関係ないからとにかく安く、簡単にできる方法を現場では望んでいたのだ。
さて、これは現代の農業に関するお話だが、やはりここでも一つ上を行くのが有機農業ではないか。
化学肥料?そんなものは必要ない。自然界では必要な成分を補うために野草が生えてくるのだからそれを土に返してあげればいいだけ。
無理して反収を上げようとするからバランスが崩れ病気が入り、害虫がつく。
がしかし、だ。この土壌分析を継続することで植物の変化に関連性を見ることができ、植物の声を聞きやすくなるのではないかと私は思う。
土をさわっても違いがはっきりわからない。でもこれを使えば数値でわかる。
それだけでも面白い。やってみようと思う。
話は変わるがこのような車を見た。
自分の車にも簡単な「農業福島園」のステッカーを作って貼ろうかな。
「ファーマーズ」や「天下一」なんかもいいな・・・