無農薬や有機栽培の農産物が増えてきたがその中でも格段にイチゴの無農薬は少ないのではないだろうか。
私はお米を無農薬で栽培しているが、「無農薬は大変じゃないですか?」などと聞かれることがよくあるが、その度に一番無農薬栽培が容易い作物が稲だと思うと伝えている。
やはり作物によって農薬を使わなくても育ちやすいものと、育ちにくいものとがあるのだとは思う。
イチゴに並んでで難しいと思うのは大玉トマト。
熊本の無農薬イチゴの農家さんは知っているが大玉トマトの無農薬は未だ知らない。
このイチゴ栽培も同じくらい難しいのかと思うが、基本は全て同じだとも思う。
基本とは、水・光・土・温度・時期など。
写真の農家さんに伺ったときに座り込んで2時間ほどいろいろと話をしていた。
どんな農家でも農薬は使いたくないという。
新規就農した若者でも農薬は使いたくないというが、結局化学肥料と農薬を使ってしまう人もいる。
しかし、私やこのイチゴを作っている人は、鼻から農薬の“の”の字も化学肥料の“か”の字も出てこない。
なぜなら使いたくないから。
思っていることは同じように見えても、実際に使ってしまう人は、「使いたくない、けど使わなかったら怖い」となってしまうのだろうと話していた。
それでいて、結局農薬・化学肥料を使い、野菜を作って直売所に持っていっても時期になるといろんな農家の人が作っているので値崩れするし、売れ余る。
形の悪いものは最初から売れないから売らない。
きれいで、まっすぐで、安くないと売れない。
忙しい上に収入は増えず、農薬を使うから気持ちもギスギスする。
鼻から農薬を使わないと決めると、少々虫が食べてもそれでいいという人が買ってくれる。
野菜が美味しくなる。
作り手も食べるとおいしいから嬉しくなる。
野菜作りが楽しくなる。
売れ残りが無くなる。
収入が増える。
農薬を使わないから気持ちも安定する。
そんな仲間が増えるといいな。