12年目の作を終えて


稲刈りが終わった11月中旬、お客様からお菓子が届いた。
開けてみると一筆箋で、諸事情により終わらせていただきたい、との言葉が。

この方は自分が収納して最初のお米の販売の時からのお客様で、もう何度配達に伺ったかわからない。
11年に渡り、お米を配達してきた。

1か月に5キロ、変わらずにずっと、期間や数量が変わることなく。
計算すると660kgになる。

ずっと配達させていただいたために、急に辞めるというのも言いにくいもので、
お菓子を電報代わりに送っていただくのも申し訳ない気持ちになってしまう。

止める理由はおそらく”値上げ”ではないかと思う。
新米から1kgあたり70円の値上げ。率にすると11.6%。

一番最初の年は減農薬ということもあり、1kg420円。

次の年(2010年?)には無農薬になり1kg550円。

1kg550円がずっと続き、2018年に1kg600円。2019年に1kg670円。

応援する意味で420円のお米を買っていただいたお客様にとって、670円はやはり高い買い物になる。

物の価値がまったくイコールでモノの値段ではないのだけど、必要に迫られて上げざるを得なかったわけだが、
そのことがきっかけで今まで応援していただいていた方にお米が届けられなくなる。

これは何とも世の不条理なのか、寂しさを感じるところ。