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2009-05

「ゆれる現代社会を『農』から立て直す道筋を考える」

先日、福岡市天神で行われた九州農文協主催のシンポジウムに参加してきた。

改めてシンポジウムの題を読み直し、シンポジウムを思い出してみると、実際のところ現代社会を立て直す以前に、現代の「農」自体の諸問題が山積み、というふうに思い出される。

シンポジウムの最後に行われたディスカッションでは農の問題の話しがほとんどだった。半ば口喧嘩のようになっていた減反政策や後継者問題についての論争も、西日本新聞社の記者の方がうまくまとめて(話しをそらして?)くれた。

前半に行われた基調講演、熊本大学文学部 徳野貞雄教授の話しでは現代の農業の根底を支えてくれている人が兼業農家であり、一番農業者が多いのは役所であるという現在の状態を提起。

棚田を守る取り組みを例に、現代の農の問題の取り組み方が昔のままであるという。棚田を守るということは良いのだが、これを文化的価値が高いからと、補助金によって街から人手をよび管理作業を続ける。これにより棚田は守られたのだが、根本的問題の解決にはなっていない。

それは、限界集落の存続である。棚田は守れた、しかし集落はつぶれた、という結果。農地はそこで農業を営む人がいてこそ本当に維持されるというのではないか、というのが徳野教授の問題の捉え方だったのだと解釈した。

我が集落もある意味限界集落の道をたどっている。宗像も都市近郊でありベッドタウンとして人口も増えていることだろうが、農業者は高齢化するばかり。地域の農業者の集会では限界集落とそれほど顔ぶれは変わらないであろう。

今回のシンポジウムでもこれからの農について素晴らしい話をしているのに、参加している農業者で自分のような人はまずいない。

“ごはん”の値段はどのくらいなのか、ご存知だろうか。

茶碗1杯が約60gらしい。我が園のお米の60gの値段は25.2円(いつも買っていただいているお客さんの値段)。これに水代・電気代・炊飯ジゃー代を足すと、約29円

ポッキーに換算すると・・・6本。ポテチだと8枚半?

ごはんって、安い。

このような話し以外にも小学校で始まった弁当の日などの食育に関する話しも聞けた。

このシンポジウムは昔は農業生産力や収益性などの農業の話しが主だったらしいが、時代の流れに早くから乗っているらしく、すでに食育など多岐にわたっていた。

このような会に参加しなければ絶対に聞けない話しが盛りだくさんだった。

水稲苗 展開

img_307723日に播種し、銀シートをかぶせ保温、発芽させていた水稲苗。昨日、その銀シートをはぐった。

一昨日の時点でシートをはぐってよかっただろうと思わせるくらい芽が伸びていた。

img_3078すでに子葉の次の葉、第1葉が伸張している。これを引っこ抜いてみたのが次の写真。

img_3083根より、葉のほうが長い。徒長してしまっている。目標とする長さは根と葉の長さの比率が逆だった。

しかしまぁもう伸びてしまったものは仕方がない。後はできることをするだけだ。

そこで登場、苗踏みローラー。麦踏みがあるように稲にも苗を踏むというもの。

苗を踏むことで植物の体内でエチレンという植物ホルモンがつくられ、伸張を抑え、茎を太くする作用がある。

祖父母は稲の苗を踏むなどということはしたことがない。苗が曲がるほど抑えられているところを見ると、心配で仕方がないようだ。

勉強会

img_30625月22日、日田で勉強会があった。ちょうど1ヶ月おきにあっている勉強会。会員の圃場を数件見学した後に、夜は栽培試験をした植物を持ち寄って、生育の差異などを検討しあうというもの。

今回は、ナシ園二つにトマトハウスを回ってきた。

ただ自分がナシ園やトマトの圃場を見学しても、なにがどう良くてどう悪いかなど全く判断できない。自分が栽培している作物なら少しはわかるのだが。

なぜ、全く関係のないようなナシ園に行くのかというと、これらは同じ果樹であり、同じ植物であるから。

葉の色、新芽の動き方、剪定の仕方、肥培管理、下草の種類、土の匂い。まだまだあるがこれら全てがその場の環境をあらわしている。

その環境が今、どういう状況にあるのかを知る手がかりがいたるところに現れている。その状況を察知する感覚を養うには、いろいろな現場を見、聞き、感じることが重要だろう。

その時に、今までいろいろ見てきた先輩方が一緒だと話しが数段早い。解からないことがなんなのかが解かるようになる。結局、わかるようになるには自分で理解しなければならないのだが。

img_3069この二つの葉はナシの葉(豊水)であるが、左右で全く樹の状態は違うようだ。どっちがどうなのか、解かるだろうか。

img_30692ピントが合っていないが、葉の先端のギザギザ、色が違うのが解かる。左のほうがとげの先端が茶色くその周辺も色が落ちているのがわかる。

専門書によると苦土(マグネシウム)欠乏症のようだが、単純にマグネシウムを与えればよいというわけでもない。

写真ではわからないが、葉の厚みや照りも左のほうが劣る。

一見圃場をみただけでは自分はわからないのだが、先輩たちは一歩踏み入れただけで状態が芳しくないことをわかっていた。

種まき

img_3072昨日、無事に種まきが終わった。

初めて自分の考えに基づいた米作り。播かぬ種は生えぬとはいうが、播いた種が全て順調に生えるとも限らない。一つミスをすれば、全てがみずの泡とかす。

冬からいろいろと思考をめぐらせてきたが、いまでもこの方法でよかったのかという結論はでない。

写真は、種を播いた苗箱を広げて、保温するためのシートで覆っている様子。種は水に浸けていたため動き出しているものの、芽が出るまでは5日はかかると思われる。

広い庭はこのときのためだけにあるといっても良い。

育苗準備

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今度の土曜日が播種日の予定。播種の前に苗箱に底土を入れておく。明日はその作業。

しかし、播種の1週間前から種籾を水に浸けていたのだが、すでに種から芽(根)がでてきていた。

水稲の種子は積算温度が100℃になると発芽する。浸けておく水の温度が20℃であれば、5日で発芽するという計算。

23日に播種をする計画であれば、現時点での水温を計っておいて、平均水温から日数を逆算することで、浸種する日にちを決める。

そのくらい知っていたのだが、去年も土曜に浸種したから今年も・・・となぜか考えなしに行動してしまっていた。

しかし、幸いなことに今年から米保存用の冷蔵庫を作ったため、水を切った種籾を保存しておける。これで播種時期までいったん眠ってもらう。

レンゲ満開

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先日、といっても11日にこのきれいなレンゲ畑をすきこんだ。播種時期がこの田圃だけ早かったために順調に生育した。

お米を買っていただいているお客様から、1枚だけレンゲが咲いていることをご存知だった。思わず「そこは自分ちの田圃です。」と胸をはっていった。

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籾殻くん炭を焼くのに、祖父のやり方ではつきっきりになってしまう。そこで、先日から現代農業を参考に手前味噌でドラム缶のくん炭焼き機を作ってみた。

img_3036

結果はごらんの通り。しかし、一番したの方では生焼けだったり、上部では灰が混じったりしていた。img_303916日(土)より本格的に水稲の栽培が始まった。写真は種籾を水に浸けて、水を吸わせているところ。

DDT

img_3005先日、納屋の奥、農薬が山積みされているところを片付けていたら発掘してしまった。

DDT

自分はただ本や授業で知っているに過ぎない。つまり先入観しかないのだが、どうやら想像を絶するものらしい。

しかし、この農薬が登場した当時はどんな害虫をも相殺してしまう、万能薬的な存在だったようだ。

この薬が出てきたと祖母に話すと当時のことを教えてくれた。

それは、祖母がまだ小学校の頃、シラミが沸いている頭にDDTの粉剤をふりかけ、下校後に洗いなさい。というもの。

下校中の小学生の頭は真っ白になっていたらしい。

と、ここでウィキペディアで検索してみると驚くかな、現在でもマラリア対策として発展途上国で使用が認められている。シラミ対策の事も明記されている。

スリランカではDDTのおかげで250万人の死者が31人になった。その後、DDTの使用が禁止されてまた250万人に逆戻り、その後の2006年にWHOは限定的に使用を認め、死者は減った。(ウィキペディアより)

レイチェルカーソンの沈黙の春にも取り上げられていたDDTだが、環境への負荷の点からすれば間違いなく負であろう。しかし、250万の人の命を救っていることも事実である。

これは単にDDTだけの問題ではない。他の農薬や化学肥料も実は同じなのである。

現在までの食料の増産ができてきたのは紛れもない農薬や化学肥料のおかげである。これだけ人口が増えても、食べものが余っている日本の現状。

貧しかった先祖が一生懸命に働いてきた土台が、自分の足元にはある。まず、単にこのことに感謝したい。

そして、これから変わる。我々はDDTの上に立っている。

ハウストウモロコシ

img_2972先日、4Hクラブの会長さん(24歳)の栽培するハウストウモロコシ(スイートコーン)を見学させてもらってきた。

あと1週間ちょっとで収穫できるようになるだろうとの事だった。露地物に比べ、実は小ぶりだが時期が早ければ単価はむしろ高く売れる。2000本近く収穫できるらしいが、その全てを数件の産直で売り切れるだろうとのこと。最近では産直ブームもあって、各地で直売所ができたため、直売所にのみ農産物を卸しているという農家も少なくない。

産直に農産物を出荷して売り上げを上げるにはそれなりのコツがいるようだ。周りの人とかぶらない農作物や同じようなものでも時期をずらすなど。5月にトウモロコシを出す人は少ない。露地物のでてくる6月・7月になると値が下がってくる。

img_2971これがトウモロコシの雄花。一番てっぺんの風を受けやすいところに咲く。ここから花粉が落ちて、トウモロコシである雌花の柱頭に受粉する。トウモロコシの先端にあるもじゃもじゃした毛のこと。

受粉しないとトウモロコシの実は入らない。しかし、この雄花の花粉に虫がつきやすく、ここから虫が下っていき、トウモロコシの中に入り、商品価値がないものにしてしまう。

雄花が咲き、受粉を終えたら雄花は切ってしまう。(写真、手前の先端は切ったあと)

それに、トウモロコシは乾燥地帯で育つイメージがあったため、水はそれほど必要としないと認識していた。しかし、実際は花が咲く頃は水びたしになるほど、灌水してよいという。

一番実が太るときの水は実を膨らませてくれるのだろう。

僕の日曜日。

img_29742今日は出方。ちょうど1年前、ういういしくも地域の出事に初めて参加したあの日からちょうど1年が経った。早いもので・・・

あの時もよい天気だったことを覚えている。今日のほうが気温は高く夏日となった。

空と水面の青にはさまれる、目の覚めるような雑木林の緑。

img_2977午後から、知り合いの農家がぼかしを仕込むということで見学に行ってきた。

写真は原料を撹拌し、排出しているところ。この撹拌機はドラムを横にして、ドラムごと回転することで撹拌する。

原料は米糠40kg、魚粕10kg、いりこの粉末等など。これに竹やぶから採取した菌(土着菌)を10Lの水に溶いて、撹拌。よく混ざったものを袋に密閉して2週間養生。その後、固まったているので、ほぐして肥料として使用する。

このやり方は嫌気発酵のためあまり熱はでずに、切り返しをする手間がない。しかし、嫌気発酵は時間がものすごくかかるため、完全に発酵してしまうまで2年かかると、肥料屋さんはいっていた。

ここの農家さんは川上農園といい、もぐらみかんという名でみかんを販売しておられる。宗像では結構有名。

川上さんちは変わっていて、すごいいろいろな人が集まってくる。中にはみかんちぎりのお手伝いをボランティアでしておられるという方まで。

園主の川上直之さん曰く、「いろんな人がきて、ワイワイするのがすいとーと。」

とっとーと、ではないが、直之さんの人柄が、いろいろな人たちを引き寄せるのだろう。

麦秋

img_2970麦に秋の季節が来た。

植物は多年草であれ、1年草であれ、自分の生きる季節を知っている。時期になれば自ら枯れ上がる。

まるで、自分の運命を知っているかのように。1本もまだ生きたいと思っていないのかいっせいに黄金色になる。

人にもそんな時があるのかもしれない。作物の場合は、遺伝的にほぼ同一人物であるなら、人は多様性に富んでいる分、その時もまちまちなのか。

人為的に人の遺伝子を優位なものだけに均一化するような、SFの世界がやってきたとき、いつか人も麦のように一斉に秋を迎えるのかもしれない。

尺取虫

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尺取虫

ブルーベリーの葉を食べる虫。尺取虫とは面白い名前をつけたものだ。

一見すると枝に見える、擬態。少々触れたぐらいでは“枝”であることを貫き通すのだが、ばれていると解かると尺を取りながら逃げようとする。

動きは鈍く、滑稽だ。

ツバメ

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曖昧にしか覚えていないが、ずっと前に爺さんに聞いたのが、ツバメが納屋に巣をつくるのは縁起のよい事だと聞いたように思う。

だから、以前は納屋の出入りのしやすい部屋に巣を作っていた。以前その部屋は、ツバメが来るようになれば夜も開け放していた。

しかし、今年からはその部屋に精米機を置くようになり、その他の機械もところ狭しとおいてあるため、その部屋の戸は締めておくようにした。ツバメの巣の下は糞でいっぱいになるし、羽だって舞い散ることになる。精米に混入させるわけにはいかない。

納屋はこの精米機を置いている部屋以外にも奥に部屋があるのだが、今年はそこに巣を新しく作っている。

一時は、普段巣を掛けている部屋に入れずに、もうこないようになってしまうかも・・・と思っていたのだが、またツバメが見れるようになってよかった。

温湯消毒

写真は水稲種子の温湯消毒をするための機械で、種籾の表面につく病原菌をお湯で殺菌しているところ。

農業にはそれぞれの段階で、それぞれの機械が一つ一つ存在する。全ての段階を機械化するといったいどれだけの機械があるのだろうか。

水稲種子の表面には、昨年のうちにいろいろな菌が付着しており、そのまま播種した場合には、極度の密植で苗を育てるために発生する病原菌も多く生存している。

それらの菌を60℃のお湯に10分浸漬することで、多くの病原菌を殺菌することができる。しかし、お湯が高すぎたり、浸漬時間が長い場合には種が茹で上がってしまう微妙な加減のところ。

農協の指導では、種子消毒はスミチオンともう一つの農薬に24時間浸漬する。ちょうど1年前、スミチオンに浸っている種籾をブログにあげているが、その感覚は今でも鮮明に覚えている。

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