1か月


img_5295田植えから1カ月が過ぎた。ようやくここまで成長してタニシに食べられる心配がなくなった。

つい数日前までは大きくなったと思っていてもちょっと水が入りすぎると茎をつたい登って葉を食べていた。

今年は全体的に梅雨の長雨の影響で徒長ぎみと茎数不足ぎみの生育となっているようだ。

写真はヒノヒカリ。

化学肥料を入れない肥えた土で稲が元気にのびのびと成長する場合、稲の姿は開帳形になるようだ。

そもそも移植した苗の1株当たりの本数が少ないと開帳形になりやすいようだ。(通常1株に5本から多いもので10数本。今年の当園ではおおむね3~4本)

それは苗作りの段階で播種量がとても少ない1箱あたり80g~90g播きになったため、1株あたりの本数が少なくなった。

また、播種量が少なかったから開帳形になったのだろうが、化学肥料を入れなくなった2年目だから土が変わってきた証拠か・・・などとほくそ笑んでしまう。

なんにせよ田植え時の小さい苗がタニシに食べられなくなって一安心。

水面がいっぱい見えていた田んぼが緑に覆われるようになって一安心。

今年は夏ウンカ(背白ウンカ)の飛来が多いようで、このままの偏西風の吹き方だと秋ウンカ(鳶色ウンカ)が多くなりかねない、と近所の農家さんが言っていた。

っとここで秋ウンカが鳶色ウンカだったことを確認するためにまたもとりだした田んぼの生き物ガイド。

そこに書いてあったことは農家さんが言っていた秋ウンカについて全く違ったことが書いてあった。

秋ウンカはその名の通り秋に大繁殖する場合があり、収穫を目前にクレーターのように稲を枯れあげるほどの害虫だ。

しかし、秋ウンカは秋に飛来するのではなく、夏ウンカと同時期に飛来し、第1世代、第2世代、そして第3世代で爆発的に繁殖し、被害をもたらすそうだ。

長年稲を作ってこられた農家さんでも害虫の生態をよく理解していない場合があるということ。

農協は年に3回ほど、稲作情報としてその年の害虫の傾向を農業改良普及センターと検討し、農家に配布している。

しかし、これに書かれていることは「現在セジロウンカの被害株が一部見受けられますが、防除時期の目安は幼虫1株あたり30頭以上です。圃場を確認して発生が多くなった場合は下記薬剤を散布してください。」

とのこと。もちろんすべての農家が勉強しなければならないとは言わない。

しかし、農協も普及センターも教えてくれることは害虫の種類、時期、発生量に対してどの農薬を使うかということだけ。

なぜ発生するのか。また薬剤の他に対処する方法が全くない。聞いてもおおよそ知らないのが現状。

有機農業をしない農家にとっても有機農業の世界を知ることは図らずも現在の刊行農法にも大きな知恵を授けてくれることは間違いない。

農業の世界にとって有機農業への偏見がなくなるとどれだけ有益なことかと思う・・・

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